やる気スイッチON|今日からできる誉め方改革

やる気スイッチON|今日からできる誉め方改革
スポンサーリンク

子どもが年中・年長さんくらいから、習い事に通わせることを考え始めますよね。せっかく始める習い事であれば、やる気を継続して続けてもらいたいです。

今回は、習い事に限らず、どうしたら子どもの「やる気スイッチ」をONの状態のままにできるかについてご紹介したいと思います。

やる気ってどう生まれるのか?

やる気が生まれる要因は、実は大きく2つあります。
「外発的動機付け」と「内発的動機付け」と呼ばれています。

「外発的動機付け」とは、ご褒美があるからやる、怒られるからやるなどの外部の要因からやる気を持つことです。外発的動機付けは、短期的には効果があるものの、長続きしないなどと言われています。

一方、「内発的動機付け」とは、本人の「これ好き!」「あれやりたい!」といった感情によってやる気を持つことです。ご褒美などとは関係なく、自分の熱量を持って生まれるやる気なので続けられると言われています。

どう「やる気」を引き出すか

外発的動機付け

子どものやる気を引き出すには「外発的動機付け」も、もちろん効果はあります。

例えば、子供に嫌いな食べ物を食べさせたい、勉強をしっかりさせたいと思ったときに、子供の行きたいところや欲しいものをご褒美として用意して、やる気を焚き付けたりしてしまうことがありますよね。これが「外発的動機付け」と呼ばれるやる気です。

でも、行きたいところに行けた、欲しいものを手に入れた時点で、殆どの場合、やる気はもうどこかに行ってしまいます。再度やる気を出してもらうには、またご褒美を用意しなければなりませんし、何度も繰り返していくうちにご褒美ランクを上げざるを得なくなってきます。

また、外発的動機付けが日常化すると、新しい課題・やらないといけないことが発生したときに、子どもが親のご褒美基準を探すようになってしまう弊害もあります。段々とゴールや目標設定を他人に委ねてしまうのです。

内発的動機付け

一方で、「内発的動機付け」による場合は、子どもの内からのやりたい気持ちが原動力なので、子ども自身で勝手にやる気になって、自主的に行動します。

同じ例ですが、嫌いな食べ物を食べさせたいとき、ご褒美ではなく、子どもが憧れるお兄さんになりたい気持ちを刺激して、「お兄さんは食べているみたいだよ」と言ってあげると、勝手にやる気を出して、頑張って食べてくれます!
この「○○になりたい」の気持ちは、誰かに与えられたものではなく、子供自身が思い描くものなので、終わりはありません。

大人の場合、外発的動機付けによる行動(家族のために働く、家事をする等)を余儀なくされることもあるかもしれません。ただ、小さな頃から内発的動機付けが習慣になっていると、周りの状況に左右されることなく、自らやる気を発揮できるようになるのです。

また、子どもが好きなこと、興味をもったものを見つけ、熱中し続けていると、得意分野や特技が見つかるかもしれません。

そのために親ができることは、子どもの熱中できる環境を作ってあげ、何に興味を持っているか、何が好きかをよく観察し、その内なるやる気を刺激し、向上させてあげることかと思います。

一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事の藤代氏も以下のようにおっしゃっていました。

子どもに安定したモチベーションを保ってもらうには、本人の興味関心に寄り添ってあげるのがポイントです。何事にも無気力という子どもは、ほとんどいません。ただ、両親や大人が頑張ってほしいことには興味を持てないだけ。まずは子どもをよく見て、どんなときにやる気が出て、どんなときにやる気が出せずにいるかをチェックしてみるといいでしょう。興味を持てれば、子どもは勝手にどんどんやります。親は、その関心を伸ばす裏方になるだけでいいんです

FNN PRIME| 『子どもの“やる気”はどう作る? 自主性を引き出すための“声かけ&質問”を学ぼう』

内発的やる気を向上させるコミュニケーション

好奇心や探求心から生まれてくる内発的なやる気を向上させるための家庭でできるコミュニケーション方法をご紹介します。

スポンサーリンク

「~しなさい」から「~してくれたら嬉しいな」へ

子どもだって命令されるのは、好きではありません。「○○しなさい!」と言いたくはなってしまう気持ちはわかります。でも、そこはグッと我慢して、「○○してくれるとお母さん嬉しいな!」と変えてみてください。
○○した後、お母さんが喜ぶ姿を想像できると、不思議と子ども自ら動いてくれるようになります。

命令ばかりで何かをさせ続けていると、段々と命令がないと動けなくなってしまいます。つまり外発的動機付けからしか動けなくなってしまいます。
やった後の状況を想像していく癖が付いてくると、自主的に動けるようになり、内発的動機付けの基になる好奇心や探求心を自ら探し出し、またそれを基にまたやる気が生まれる好循環に入っていきます

「いい子だね」から「できたね!すごいね!」へ

「いい子だね」は、親・大人にとっての「いい子だね」になってませんか?
親の期待を満たしたか満たしていないかを無意識に評価している表現になっているのです。子どもは意外と敏感で、無意識に「いい子ちゃん」と評価される行動を取るようになってしまいます。これも外発的動機付けでしか動けない子どもになってしまう可能性があります。

なので、何かができたときは、是非「できたね!すごいね!」と伝えてあげてください!できた結果を評価するのではなく、そのできるようになったこと自体を誉めてあげてください!できた自分に自信が持て、さらに色んな事にチャレンジできるようになるはずです。

「なんでできないの?」から「成長したね!」へ

「なんでできないの?」「なんで○○しないの?」も言ってしまいがちですが、これは子ども自身がやってきたことを否定されたように感じ、せっかくの内発的動機付けからのやる気も削がれてしまいます。

もし、結果としてはできなかったとしても、その過程ではできるようになっていることが必ずあります。なので、できるようになっていることをよく観察し、それを「成長したね!」と誉めてあげてください。すると子どもは自分がやってきたことは良いことで、前向きに捉えていいのだと認識します。
さらに、できていない部分については、「どうしたらできるようになるかな?」といった質問で、自ら考えるきっかけを作ってあげて、自分で壁を超える経験を体験させてあげましょう。自信も生まれ、内発的動機付けが加速していきます!


以下の記事で、これからの社会で必要とされる地頭を鍛えるには「 強い好奇心や探求心を持ち、子供が好きなことをたくさんすることが大切 」ということをご紹介させていただきました。

親子で地頭を鍛えよう!|家庭でできるアクティブラーニング

内発的に生まれてくるやる気を育てていくことは、これにも通じてくることです。
今からでも実践できることだと思いますので、つい言ってしまうのをグッと我慢し、内発的やる気の向上ワードを伝えてあげて、やる気スイッチを常にONにしてあげてください!

(参考)
FNN PRIME| 2017/9/22 「子どもの“やる気”はどう作る? 自主性を引き出すための“声かけ&質問”を学ぼう
ベネッセ教育総合研究所 | 小中学生の学びに関する調査報告書(2015)
President Online| https://president.jp/articles/-/21071