何で海は青いの?|身近な科学を探究しよう!
- 2019.07.25
- いえ お家の周りの好奇心
- アクティブラーニング, 探究心, 身近な科学
「あれって何で?」って、子供に聞かれることありますよね?
身近で起こる出来事を科学的に探究したいと思います!
今回は、「海ってなんで青いの?」という疑問。
海の色を知るためには、モノの色がどうやって見えるのかを解明していく必要があります。海の色を解明するための光の特性と物理現象を整理して、海の色の好奇心を探究していきましょう!!
物の色が見える原理
光の三原色
太陽の光はすべての色を含んでいるが、中でも人の目は赤と緑と青に敏感に感知するそうです。
この三色が色々と重なることで、色々な色が表現されています。
具体的には、三色全てが重なると白となり、太陽が白い光(白色光)に見えるのはこのためです。その他、赤と緑が重なると黄色、緑と青なら水色、赤と青なら紫といった具合です。
この赤、緑、青を三原色と呼び、実はテレビもこの三原色を電気的に切り替えながら色を映し出しています。
目に見える色とは何か?
例えば、リンゴは赤いですよね?なぜ赤いのでしょうか?
実はリンゴは、青と緑の重なった色である水色(青緑)という色を吸収します。
つまり、光が当たると水色(青緑)を吸収し、それ以外の色を合わせた色(赤)を反射することになり、リンゴが赤く見えるわけです。
水色と赤を重ね合わせると白い光「白色光」になります。同様に緑と紫、青と黄の光を重ね合わせると白色光になります。
この重ね合わせると白色光になる色同士を「補色」と呼びます。この補色の関係を整理したのが、下記の通りとなります。
人の目に見える可視光は、波長が長い方から赤、オレンジ、黄、緑、青、紺、紫の7色です。補色の関係図は、全てを重ね合わせた白色光から特定の色を除くと、何色に見えるのかを整理したものということになります。
マメ知識
補色には物理補色と心理補色があるそうです。
補色の一方の色をしばらく見つめた後、白い紙などに目を移すと、補色のもう一方の色が残像として見えますが、これを心理補色と言います。
テレビドラマなどで、お医者さんの手術着が薄めの緑色であるのを見たことはありますか?
実はこれは実際もこの色なんですが、正に心理補色という現象を活かした結果としてこの色となっているのです。
手術中は血液の濃いめ赤を長時間見つめため、緑色の残像に悩まされていたようです。そのため心理補色による残像を和らげる効果がある色として、薄い緑色の手術着が採用されるようになったそうです。
海が青く見える原理
さて、本題の海が青く見える理由です。
水は光を吸収する!?
水の中を可視光が通過すると、水分子によって、光は吸収されます。特に波長が長い光がより吸収されます。
念のため、詳細に説明すると、水分子はヒドロキシ基(-OH)2つ持っています。この変角運動と伸縮運動により、可視光の中では波長の長い光が吸収されることとなります。
なぜ海は青いのか?!
コップに入れている水に光を当てても、無色透明のままですよね。
これは水が少量のため、特に何も変化がないように見えるのです。というのも水分子が吸収できる光はごくわずかなため、少量の水では変化が起きません。
一方で、海には大量の水が存在するため、水中を進んでいくに従い、波長の長い光から吸収されていきます。可視光では波長が最も長い赤い光は、水深7mほどで、海面まで来ている光の99%は吸収されます。
太陽の白色光の内、赤~黄色の光がよく吸収されるため、その他の光が重ね合わさった光が海の中の浮遊物や海底で反射され、その光が我々の目に届いているわけです。
つまり、補色である水色~紺色の光が海の色として見えるという訳です。
深くなればなるほど、色が濃くなっていくのは、波長の長い光が順次吸収されるためです。
空の色も影響している?!
空が青いからと言われることもありますが、上記で書いた通り、赤~黄色の光が吸収され、その補色の色が見えているのが、海が青い主な理由です。
曇りの場合であっても、少しくすんではいるものの、海は青く見えますよね。
ただ、光は水の表面で反射もしており、空の色も影響しております。
晴れ渡った日は、より海の色は鮮やかな青なのに対し、曇りの日は少しくすんだ青なのはこれが理由です。
空が青い原理については、下記記事参考にしてみてください!
何で空は青いの?何で夕日は赤いの?|身近な科学を探究しよう!
南国の海は何でエメラルドグリーンなのか?!
沖縄などの南国で、綺麗なエメラルドグリーンの海を見ることありますよね。
綺麗なエメラルドグリーンに見える海の特徴は、遠浅の海で、白い砂浜の海です。
この遠浅で、白い砂というのがエメラルドグリーンに見える大きな理由となります。
浅い海は、当然そこにある水の量は深いところと比べると水の量は少ないということになります。
深い海では吸収される緑色が、浅い海では吸収されず、それが白い砂浜で反射されるため、エメラルドグリーンに見えるという訳です。
まとめ
今回は、何故海は青く見えるか?を整理してみました。いかがでしたでしょうか?
水の分子は可視光でも波長の長いものから少しずつ吸収していくという特徴があります。少量の水だと吸収はほとんど起きないため、無色透明。ただ、海のように大量の水があると、波長が長い赤~黄色の光が吸収され、残った光を重ね合わせた、いわゆる補色である青が海の色として見えることになります。
また浅い海だと緑の光は、十分に吸収されていないため、白い砂浜の場合には、その影響を受け、エメラルドグリーンに見えるという訳です。
子供は身近な出来事に好奇心を持って、「なんでだろう?」を良く聞いてきますよね。
是非、この「何で?」「どうして?」を大事に、一緒に堀り下げていくことで、子供の驚きと感動を生み出すことで、好奇心を刺激し、探求心をくすぐっていきましょう!!
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